City Sampleとかのマーケットプレイスで配布されているコンテンツって自作ゲーム(配布したい)に含めていいんだっけ?
と疑問に思ったので調べてみました。
先に結論だけ書いておくと
配布OK(商用利用もOK)
です。
この記事では、Cityプロジェクト等のマーケットプレイスで配布・販売されているコンテンツのライセンス・制限事項をまとめていきます。
基本的な制限事項
マーケットプレイスで配布されるコンテンツには以下のガイドラインが適用されます。
そして、ガイドラインには以下の記載があります。
2.2.g Products distributed through the Marketplace are licensed only under the Epic Content License Agreement, which is not superseded by custom licenses sellers include in their products’ distributed files.
https://www.unrealengine.com/en-US/marketplace-guidelines#22g
つまり、マーケットプレイスで配布される全てのコンテンツは以下のライセンスのみが適用されます。
(個別にライセンスを調べなくていいのである意味お手軽ですね)
このライセンスを紐解くと、マーケットプレイスで配布されたコンテンツ(以降ライセンスコンテンツと表記)を含むゲームを配布する場合は、以下を守る必要があることが分かります。
When you Distribute a Project to end users, you may permit end users to use, reproduce, display and publicly perform the Licensed Content, solely (1) as incorporated in the Project in object code as an inseparable part of the Project, (2) to the extent necessary for end users to make permitted uses of the Project, and (3) pursuant to an end user license agreement that explicitly disclaims any representations, warranties, conditions, and liabilities related to the Licensed Content.
a. Use by End Users, Publishers, and Distributors
①ライセンスコンテンツは、オブジェクトコードとして組み込み、ゲームから分離不可能になっていること
②プレイヤーがライセンスコンテンツを使用するのは、ゲームプレイの範囲内のみとなっていること
③ライセンスコンテンツに関連するいかなる表明、保証、条件、および責任を明示的に否認するエンド ユーザーライセンス契約に従うこと(嚙み砕くと、「ライセンスコンテンツに起因する問題が起きてもEpic社としては責任は取らないよ」、という意味になるはず)
基本的には、上記の3つに従えば自作ゲームにライセンスコンテンツを含めることができ、そのゲームは配布・販売することが可能です。
その他気を付けた方が良い制限事項
ここからはライセンスを読んで上記以外に気になった点を個別に紹介していきます。
UE専用コンテンツ
“UE-Only Content” means Licensed Content that is designated as only permitted for use in conjunction with Unreal Engine and Unreal Engine-based products as designated by Epic, such as Twinmotion.
a. UE-Only Content
マーケットプレイスで配布されているコンテンツの中には「UE専用コンテンツ」と記載があるものがあります。
これらのコンテンツはUnreal Engineでのみ使用が許可されているため、Unity等では使用できません。
因みに、この記事の本題であるCitySampleプロジェクトも「UE専用コンテンツ」の記載があります。
間違ってもUnityで使わないようにしましょう。
マーケットプレイス以外のコンテンツとの併用
You may not, and may not permit others to, combine, Distribute, or otherwise use Licensed Content with any code or other content which is covered by a license that would directly or indirectly require that all or part of any Licensed Content be governed under any terms other than those of this Agreement (those licenses, the “Non-Compatible Licenses”). This means, for example, that you may not combine Licensed Content with code or content that is licensed under any of the following licenses: GNU General Public License (GPL), Lesser GPL (LGPL) (unless you are merely dynamically linking a shared library), or Creative Commons Attribution-ShareAlike License.
b. Non-Compatible Licenses
GPLやCC BY-SAといった、ライセンスに互換性の無いコンテンツとの併用はできません。
GPLの話については前回触れたので、スルーしますが、CC(クリエィティブコモンズ)の継承(SA)がダメという点は注意が必要です。
例えば、クリエィティブコモンズのCC BYとCC BY-SAはいずれ営利目的で利用可能ですが、Unreal Engineで使用する場合は、CC BY-SAは使えません。
ネット上で配布/販売されている3Dモデルだと、著作権にクリエィティブコモンズが使われている場合もあるので、マーケットプレイス以外で入手したモデル等をUnreal Engineで使う場合は、クリエィティブコモンズの表記(SAがついていないこと)にも注意しましょう。
プレイヤーがクリエイトする系のゲームの場合
iii. except as permitted under Section 4, allow any third party to use or access Licensed Content for the purpose of creating content (including, without limitation, for the purpose of using Licensed Content in world- or level-editing tools, modeling tools, or user-generated content) for distribution to the public; provided, however, this restriction does not apply to UE-Only Content;
c. General Restrictions
簡単に言うと、スーパーマリオメーカーのようにプレイヤーが自作ステージを公開するようなゲームの場合はライセンスコンテンツを使用することはできない、ということです。
for distribution to the public という表記があるので、ゲーム内で完結していて公開や共有ができないようになっているゲームであればクリエイト系のゲームでも使っていいはずです。
幸いにも「UE専用コンテンツ」はこの制限の対象外なので、プレイヤーが何かをクリエイトする系のゲームにマーケットプレイスのコンテンツを使う場合は、なるべく「UE専用コンテンツ」を選択した方が無難かもしれません。
因みに「CitySampleプロジェクト」は「UE専用コンテンツ」なので、この制限は該当しません。
終わりに
今回は、Unreal Engineマーケットプレイスで配布/販売されているコンテンツのライセンスについて調べてみました。
コンテンツ毎にライセンスがあるのではなく、一括で決められているというのは使う側からすると分かり易くてありがたいですね。
ライセンス自体も、比較的分かり易く普通に納得できる内容だったので、Unreal Engineでゲームを作る場合はマーケットプレイスで配布されているコンテンツを積極的に使用して問題なさそうです。
その中でも特に公式のEpic社が出している「CitySampleプロジェクト」はUE5のチュートリアル的な意味でも、初心者にとって使いやすそうなので、これを使ってゲーム作りを進めていきたいと思う今日この頃です。
(ライセンス調べる段階で1週間が経過…)
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